インターンシップ研修のまとめ(期間9月2日~9月13日)
研修1日目(9月2日)井上天極堂 本社
近鉄葛駅という誰が見ても葛にゆかりがあるということが分かる珍しい名前の駅が最寄り駅の本社へ伺いました。
まずは朝礼に参加しました。そこでは皆さんで経営目標を読み上げました。また、その日の担当の方が日常の出来事のスピーチをしており、それを楽しそうに聴いている皆さんを見て温かい会社だとその時点で思いました。
次に品質管理の方から品質管理について教えていただきました。わらび粉や葛粉などを水と共に鍋に入れ、混ぜながら加熱し、シャーレに入れて匂いや伸びを検査する作業を体験させていただきました。それぞれで性質が全く違うということ学びました。何か異常があればすぐに発見できる観察能力が必要であると感じました。
作業着に着替えて衛生チェックを行った後、1階の製造現場に入らせていただきました。そこは1番初めの作業工程の現場でした。澱粉と水が入った大きなプールのようなものがあり、それを撹拌しているところを見学させていただきました。
次に、葛の茶色い繊維を特殊な網ですくい取り、大きなプールから小さなプールへ移し替える作業をさせていただきました。この日は特に繊維が多い日であったらしく、手ですくっても見えないのに網ですくった途端に現れる繊維は不思議でした。
何日間か放置して沈殿させた澱粉は、上の水を排水し、乾燥させます。わらび粉等はすぐに沈殿しますが、上質で高級な葛粉はなかなか沈殿しないそうです。それをカッターで持ち運びやすい大きさに切り、さらに小さく切る機械へ運びます。私はそれをコンテナに並べていく作業を体験させていただきました。しっかりと乾燥している物は綺麗に機械で割れるのですが、水分量が多い部分は上手くカットされず、真っ直ぐではない方向へ割れてしまい難しかったです。コンテナを何段にも高く積み上げると、倉庫に入れてさらに乾燥させます。ひたすら続く地道な作業で大変でした。
また、製造に使う大きなさらしを洗い、干す作業もさせていただきました。
工場と聞くと機械が多い場所を想像していましたが、思っていたよりも手作業ばかりで驚きました。人の手にしか出来ない丁寧な仕事であるのだと思いました。そして、力仕事も多く、製造の仕事の大変さも学びました。
研修2日目(9月4日)井上天極堂 橿原工場
イオンモール橿原店の近くにある橿原工場へ伺いました。ここでは、葛を使用したカップ製品や野菜ペーストの製造が行われていました。
まずは、殺菌庫に入れるカップの抹茶わらび餅を専用の大きなトレーに並べる作業をさせていただきました。これもひたすら地道な作業という感じでした。
次にサンプル用の野菜ペーストを100gずつ袋詰めする作業をさせていただきました。野菜ペーストには、さつまいも、むらさきいも、じゃがいも、黒豆などたくさんの種類があり、いろいろな野菜のペーストに需要があるのだと少し驚きました。特に黒豆のペーストはどんな製品に使用されるのだろうと気になりました。そのサンプルを入れるための袋をシールの機械を使って作る作業もさせていただきました。
また、出来上がった製品に賞味期限などが印字されているシールを貼って金属探知機とX線のベルトコンベアに流す作業もさせていただきました。
そして、洗い物や掃除をさせていただきました。とろろが入ったコンテナを洗う時はアレルゲンであるため、念入りに洗う事を気をつけなければいけませんでした。コンテナは洗った後にささくれが無いかを1つ1つ調べてコンテナ番号にチェックを入れていきました。安全のためにここまで徹底されていることに驚きました。
私は工場見学まではしたことがありますが、実際にこんなにも近くまで入らせていただくことや、体験をさせていただくことは初めてでした。エアシャワーや汚染区域と非汚染区域の床の色分け、機械を使い終わったらその都度ねじまで外して部品を洗うことなどを近くで見せていただき、工場という場所は衛生管理が本当に徹底されていることを学びました。
研修3日目(9月5日)井上天極堂 橿原工場 リテール部
この日も橿原工場でしたが、前日とは違って隣のリテール部へ伺いました。
レトルト葛餅の検品と包装をさせていただきました。レトルト葛餅が入ったプラスチックの容器ときな粉が入った袋、黒蜜が入った袋をシールの帯でくるむ作業をさせていただきました。最後の包装の作業がこんなにも全て手作業でされているとは思っていませんでした。この現場を見ることがなければ思わなかったことですが、最後に人の手で仕上げられることで手作りの温もりが感じられるなと思いました。また、出来るだけシンプルなパッケージにデザインしなければリテール部の方が困ってしまうのだろうとも思いました。こんなにも長時間同じ作業をひたすら地道にするという経験は初めてでした。周りには賞味期限のはんこを帯シールに押す方や箱を組み立てる方などそれぞれの作業を黙々とされていましたが、団結感を感じました。皆さんの早さと丁寧さが両立された作業は見ていてかっこよかったです。
研修4日目(9月6日)井上天極堂 奈良本店
奈良公園の近くにある本店へ伺いました。この日はお客様へのお茶出し、バッシング、食器拭き、納品物の整理、葛うどんを2人前ずつ分ける作業、三つ葉を結ぶ作業等をさせていただきました。
また、葛餅作りも体験させていただきました。葛粉と砂糖、水を混ぜたものを鍋に入れて火にかけます。弱火では綺麗でおいしい葛餅は出来ないので強火で作るのですが、とても熱くて大変でした。絶えずかき混ぜているとみるみるうちに白だった液体が透明になって糊化していきました。シャーレに入れて丸くし、少し氷水にくぐらせて冷やし、十字に切って黒蜜ときな粉をかけます。天極堂の葛餅のウリは「温かい」ことです。お客様には「出来立てですので中がほんのり温かくなっております」といって提供します。食べてみると本当に中が温かく、体験したことのない美味しさでした。
お店には様々な商品が販売されていました。葛湯、葛餅はもちろん、葛を使用したスープやうどん等がありました。特に驚いたのは葛から発見された乳酸菌を使用した商品「クデュウー」です。とろみの付いた飲んだことのない新感覚のジュースという感じで美味しかったです。このような商品を通して、現在はいかに葛を若者に広めるかということを頑張っているそうです。ご高齢の方に人気であるというイメージが強い葛ですが、これから葛がどんどん広まっていったらいいなと私も思います。
そして、これまでに沢山の人が関わって製品が作られている現場を見てきたので、自社工場で作られた製品をお客様に食べていただける場所があるということはとても素敵なことだと思いました。
研修5日目(9月13日)井上天極堂 本社 経営企画室
最終日は初日と同じ本社へ伺い、SNSに投稿する商品の写真撮影や投稿、このブログを書く作業をさせていただきました。今回、天極堂の人気商品「ぷるるん」の写真撮影とXの公式アカウントへの投稿に挑戦しました。商品に合った食器や台を選んだり、配置を微調整したりしてベストショットを生み出すのは難しかったです。撮った写真をパソコンで明るさや彩度を加工して、商品の魅力が写真から最大限に感じ取ってもらえるように頑張りました。そして、実際にぷるるんを試食させていただき、食感や味を出来るだけ分かりやすく伝え、お客様に食べてみたいと思っていただける文章が出来るように頑張りました。また、天極堂の公式キャラクター「くずまん」として文章を考えるのは面白かったです。
まとめ
インターンシップで実際に仕事を体験させていただいたまとめの感想としてはあまりふさわしくないかもしれませんが、私がこの5日間を通して最も言いたいことは、天極堂の皆さんが本当に温かかったということです。優しく案内してくださったり、作業の仕方を教えてくださったり、褒めてくださったり、休憩時間には輪になっておやつを食べながらお喋りをして笑い合ったりしました。社員の皆さん同士もとても仲良く、こんなにもアットホームな会社があるのだと驚いてしまいました。私はしっかりと会社で働くという経験は初めてだったのでとても緊張していました。しかしどこの工場、店舗へ行っても温かく迎えてくださり本当に安心しました。お忙しい中ご親切にご指導いただき本当にありがとうございました。