研修一日目(8月17日)井上天極堂 本社

 研修一日目は井上天極堂の本社で五日間の概要と会社の歴史のお話をお伺いしました。商品の葛料理を確認し、奈良県の文化としての魅力を感じました。また、アグリ事業に参入し、井上天極堂が奈良県の企業から日本の企業として成長していくことを感じることが出来ました。紹介していただいた商品はとても魅力的で、自分がこれから商品に関わっていくことに改めて強い責任を持ちました。
 
 その後品質管理課の方から工場内の品質管理や安全にかかわる大事な話を聞きました。整理、整頓、清掃、清潔、習慣づけの5Sを意識した安全確認をマニュアルを用いて説明してくださり、とても分かりやすかったです。特に、作業前は30秒以上の手洗いや、粘着クリーナーを用いて髪の毛と汚れの吸着を行うなどして、工場内に異物を持ち込まないということを徹底していました。
 午前中は本社の工場二階で葛粉を袋に詰めてテーピングし、箱に敷き詰めて整列するといった一連の流れを学びました。初めて行う事ばかりで、一緒に作業して下さったパートの方に手順やコツを教わりながら作業しました。働く前のイメージではこれらの工程は工場のレール作業で行なうと考えていたのでとても驚きました。しかし、人の手で行なうからこそ商品にエラーが生じていないか確認することができると、作業中に改めて実感しました。
 
 一時間の休憩をはさみ、午後からは製品を詰めるためのダンボール箱を作成しました。消費期限が書かれたシールを貼り、箱を組み立てて作成したのですが、とにかく数が多くて大変でした。なるべく作業中の動きをへらして効率化を図り、時間内に用意されていた分の箱を作成することが出来ました。やることが多かった分、完成して積まれた大量の箱を見上げた時は大きな達成感を感じました。

研修二日目(8月18日)井上天極堂 橿原工場

 研修二日目は井上天極堂の橿原工場で作業を行いました。本社よりも施設が大きくて、迷子になりかけましたが担当の方が案内して下さりました。本社工場よりも大きいため作業区域が分かれており、非清潔区と準清潔区と清潔区に分かれて作業し、行き来してはいけないという規則を学びました。私は管理栄養士の過程を学んでいるため、給食施設と同じように区分されていることに気づき、こんなにも大きい工場で調理場と同じくらい衛生管理を徹底していることに感心しました。
 
 午前中は冷凍状態で運ばれてきた栗を金属探知をかけたベルトコンベアに流しながら、不良品を目で見て取り除く作業を行いました。コンベア上で栗を流し、不良品を取り除く二人と、下で袋で受け止める一人に分担して作業を行いました。栗を包んだ袋はそれなりに重く、何度も運ぶのは体力を使いました。しかし、コンベアに大量に流れる栗を間近で見る機会はめったになく、壮観でした。不良品の判断は上手くできていたか自信がないですが、何個か自分で見つけて取り除くことはできたと思います。
 
 午後からは「なつかん」ゼリーをトレー上に並べて加熱殺菌を行ないました。初めはきれいに整列することを意識して丁寧に並べていましたが、慣れてくると手早く行っても最終的にはきれいに整列することが分かり、とても効率よく作業を行うことが出来ました。途中、トレーの空きがなくなり、新しくトレーを仕入れるために抹茶プリンが積んであるトレーを空けることになりました。その過程で抹茶プリンの印字作業を行い、消毒過程で着いた水滴をタオルでふき取って印字するためのコンベアに流しました。トレーを準備することが出来、必要数殺菌されたゼリーは冷凍庫に運ばれ、出荷待ちの状態まで見届けました。
 
 また、午前中に見ていた栗がペースト状になったため、お客様に提供するサンプルをいくつか製造しました。冷凍された栗ペーストの箱詰め作業も行いました。担当者の方が、箱詰めされた栗はここからはもう帰ってこない、返ってくるとしたらクレームで返ってくる。と言っていたことが印象に残っています。大量の商品を見届けたうえで一つ一つの商品に向き合うことの大変さを学ぶことができました。

研修三日目(8月19日)井上天極堂 橿原工場

 研修三日目は同じく井上天極堂の橿原工場で作業を行いました。
 午前中は品質管理課で業務をおこないました。品質管理課では使用する粉の種類や、国産、海外産などで5種類ほど別々に餅を制作し色、粘度、透明度、硬さを見る葛の焚き上げという作業を行ないました。種類によって粘度が持続する、色が濃くなるなどの特性が表れて面白かったです。使用する糖の種類を変えて行うこともあり、スクロースはトレハロースより糖度が高いが、トレハロースは冷蔵保存に強い(老化しにくい)などの特徴を知りました。商品によって適材適所な素材の選択を行なう事や、新しい商品の開発に素材の特徴を活かすなど、改良の余地や可能性が無限に湧いてきそうで、夢にあふれた楽しそうな仕事だと感じました。商品開発課は王寺にあるらしく、そちらにも行ってみたかったです。
 
 また、葛餅の製品を放置することで、糊化や老化が起こり、食感が変化することを自分で制作した葛餅で知ることも出来ました。特に葛切りは「賞味期限一分」と言われているほど短時間で食感が変わり、衝撃的でした。最後には菌数検査の部屋に案内して下さり、基準と比較して商品の安全を確保している様子を確認しました。毎日検査を行っているようで、安全性を確認する最後の砦としてとても重要な仕事だと感じました。
 
 午後からは同じ橿原工場でも少し離れた場所にあるリテール部に伺いました。製品として完成した葛餅に商品のラベルときな粉、黒蜜を巻いて箱に詰めていくという作業を行いました。しっかりと両手を使って巻かないと商品が店舗に到着した後にはがれてしまうため、適度に力を入れてラベリングする必要がありました。慣れれば簡単な作業でしたが、きな粉と黒蜜がしっかりと巻かれているか、ズレが大きくないかどうかを確認しながら作業する必要がありました。箱には六個ずつ並べられていたため、一旦六個完成させてから並べるなどして、簡単な作業だからこそ効率化して素早く行うことを意識しました。その結果、用意されたかごはすべて仕上げることができ、早くて丁寧で素晴らしいと言ってもらえました。とても嬉しかったです。

研修四日目(8月21日)井上天極堂 本社

 研修四日目は井上天極堂の本社の事務室二階で商品の写真撮影を行い、SNS投稿の業務を行いました。自分は「ぷるるん」のあんこ味を選びました。商品を机の上に並べて皿やコップ、飾りの配置、照明の有無などを試行錯誤しながら撮影を行いました。自分のデザインセンスにあまり自信がなかったのですが、ほめていただいて嬉しかったです。配置後に試食し、商品の味や食感など感じた事をメモにまとめました。その後、撮影した写真の光度を調整するほか、汚れが映っていたら編集で取り除くなどしました。きれいな写真を作ることで自分で見てもとても美味しそうな写真になっていて嬉しかったです。
 
 写真が完成したら、メモの内容を確認しながらInstagramの文章の内容を考えました。企業らしく、インスタらしく文章を考えるのは大変でしたが、違和感のない文章になっているといいなと思っています。また、商品のパッケージの写真も撮影し、先ほどと同様に写真を編集しました。同じ商品の写真はできるだけ統一感が出るように色味や光度を調整しました。画像加工を行ったのは今回が初めてでしたが、今後役に立つ機会は多いと思います。
 
 午後からは、今読んでいるブログを作成しました。WordPressという専用のサイトを用いて、自分の活動内容の写真を加工、編集しながらブログを書いています。初めてブログを書くので、担当の方に色々なことを聞きながら書いていますが、読みやすいものになっていたら幸いです。

まとめ

 今回のインターンシップでは一日目から本格的に業務を行い、商品が粉の状態から葛餅になるまでの一連の流れを見届けました。その中で自分が包んだり、点検したりした製品がお客様の手に渡るということの責任を感じました。そして、従業員が全員こういった意識をもって働くことで井上天極堂というブランドが成立しているという事が分かりました。多くの工程があって、再三再四の安全確認をして商品がお客様の手に渡っていることを知り、今までとは違った見方で商品を買って、食べるようになると思います。
 
 井上天極堂のインターンシップは五日間と長期間に及びますが、それぞれが全く違う業務内容で、毎日新鮮でとても楽しかったです。多くの作業工程に触れたことで、自分がどのような分野に適性があるのか、どのような業務が好きなのか知ることが出来ました。就活の軸がなんとなくになっていて、考えることが多い大学三回生の今の時期だからこそ行けてよかったと思いました。