研修1日目(9月15日) 井上天極堂 本社

 会社概要やインターンシップについての説明のほか、品質管理について「品質管理マニュアル」を用いて説明をしていただきました。
 研修1日目の最初の作業は本社工場にて、乾燥前の上餅わらびをトレーに並べる作業を行いました。一見固そうに見えましたが、割れやすく欠片がたくさん出ました。
欠片や粉も一緒に乾燥させるため、それだけで1トレー使うこともあり製品を無駄にしない心掛けの1つだと感じました。
トレーに並べる幅や置く向きなど、様々なことを瞬時に考えながら行うのですが、次々にカットされ押し出されるため落下しないようにスピード感をもって行う作業はとても大変でした。
 午後からは攪拌の終えた上餅わらびを「舟」と呼ばれる物に流し入れを行いました。
私は網目に溜まっているわらびの繊維を取り除く作業を行いました。わらびの茶色い繊維が想像していたよりもたくさん取れ、1本の舟に8~10分という時間をかけて行うことで不純物が取り除かれ、上質な製品を作ることができることを知りました。
最初は緊張していましたが、みなさんとても優しく教えてくださり、リラックスして作業を進めることが出来ました。

研修2日目(9月16日) 井上天極堂 橿原工場

 研修2日目は橿原工場にお伺いさせていただきました。

 橿原工場では「抹茶わらび」という製品の印字作業を主に行いました。
この作業は印字だけでなく、重さや赤外線での金属探知などを行い、出荷前に安全な製品かどうかを確認するとても大切な作業でした。単にレーンに流すだけでなく、重さの機械に2個同時に乗ると弾かれるため、一定の間隔をあけて流す作業は以外と難しかったです。
研修中には、空気が入っているなどいくつか不良品が見つかりました。私は気付けませんでしたが、一緒に作業していた方が瞬時に見抜き、出荷される前に気づけて良かったとも感じると同時に経験の差を感じました。
 午後からは、抹茶わらびのレトルト殺菌を行うためにトレーに並べる作業や、「味付きカップ入りとろろ」の梱包を行いました。
本社工場では葛やわらびなど製品の素となる物を製造しているのに対し、橿原工場では製品の製造を行っていました。そのため、本社工場にはない機械がたくさんありましたが、実際には手作業が多くありました。
また、清潔区、準清潔区、非清潔区のそれぞれに分けられおり、非清潔区から清潔区には直接いけないようになっていました。学校の大量調理室よりも厳しく区画分けされていて、食品工場の衛生管理の大切さを改めて感じることができました。

研修3日目 (9月17日) 井上天極堂 橿原工場

 研修3日目は品質管理課とリテール部にお伺いさせていただきました。
 品質管理課では、その日に行われる料理教室の準備や普段どのように品質管理が行われているのかを知ることができました。
品質管理課では、「炊き上げ」という葛粉やわらび粉などが製品に使用できるかどうかを見極める重要な役割がありました。
実際に3種類の炊き上げを行い、色や粘度などをチャートに照らし合わせ確認する作業を行いました。色や粘度の違いが大きく、糊化のスピードも違うなど種類や配合によってこんなにも変わるのかと驚きました。
他にも、葛とわらびのでんぷんを顕微鏡で観察し楕円と丸だったり大きさに違いがあったりと、とても面白い発見がありました。また、微生物の検査などを行う部屋もあり、製品の品質にとって要な部署だと感じました。

 午後からはリテール部に伺い、商品の食品ラベル貼りやぷるるんの梱包、ポタージュセットや商品の袋、箱詰めなどを行いました。いかに丁寧かつ効率的に行えるかを考え、配置やラベルの貼り方などを考えました。袋詰め、箱詰めのやり方や完成度などを褒めていただき、以前のアルバイトで行った入封緘作業の経験が生きた場面だと感じました。
また、パートの方々にも優しく接していただき、3日目もリラックスして終えることが出来ました。
祝日前だったこともあり、作業場が休みの間に店舗在庫が無くなった場合でも対応できるように事前に梱包などを行っていたため、たくさんの製品や完成した商品などの段ボールがありました。

研修4日目(9月18日) 井上天極堂 橿原店

 研修4日目は店舗研修のため橿原店にお伺いしました。

 店舗では商品の単品販売と箱売り、店内飲食を行っていました。店内飲食では1組のお客様が来店され、注文された商品の提供などをアルバイトの経験を活かし、丁寧に対応することが出来ました。
 購入される商品のニーズは様々で、寿として購入されるお客様やお土産として購入されるお客様、自分用に購入されるお客様など様々な方が来店されていました。
最初私は、箱売りは見本として飾っている商品内容のみを販売していると思っていました。しかし、実際はお客様一人一人のニーズに合わせてセット内容を変更して販売していました。お客様と一緒に商品を選んだり提案をしたりなど、購入する方に合わせたサジェストを行っていました。このことから、接客技術にはお客様のニーズを把握した上でどのような商品が良いかを考え、その人に合ったものを提案するという技術が必要になると感じました。
 さらに、箱ものを購入された方には包装やのしの有無などを伺うなど、たくさん行うことがありました。包装の練習を行い、何回か行ううちになんとか出来るようになりました。しかし、箱の辺を合わせながら角がずれないようにすると、押さえすぎで包装紙が破れてしまうなどとても難しかったです。実際にお客様の商品を包装してみましたが、緊張して練習通り出来ず、失敗してしまい店舗の方に包装していただきました。
 最後には店舗の清掃を行いました。1日お世話になった店舗に感謝の気持ちを込め、明日来店されるお客様に気持ちよく過ごしていただけるよう、隅々まで清掃しました。

研修5日目 (9月24日) 井上天極堂 本社

 研修5日目は経営企画室で研修を行いました。
経営企画室では、工場見学対応や品質目標の反省会、キッチンカー出店時の気温や売れた商品の内容をまとめたり新店舗オープンにあたってのメニュー表を作ったりなど、広報の仕事も担っていました。
 工場見学対応では、本社工場の製造部の見学をしたり、実際に葛餅を作ったりしました。
工場見学対応、ではこれまでの研修で訪れていなかった乾燥室や袋詰め作業の部屋を見学することができ、1日目に製造した製品がどのようになるのかを知ることができました。
工場見学は主に奈良の小中学生が多いと伺い、奈良の誇る葛を身近に感じることのできる体験だと感じました。
自分自身の過去を振り返ってみると、地元の特産品の見学に行った際、身近すぎてその価値や凄さに気づけないまま過ごしてしまった経験があります。
奈良の小中学生には、葛を単なる「身近な食べ物」で終わらせず、「奈良の誇る素晴らしい伝統産業だ」と心から実感してもらえるようにするためにはどんな工夫や体験価値を提供していけば良いのか、自分なり考えてみたいと思います。

まとめ

 今回のインターンシップ研修では5日間でたくさんの部署を回らせていただきました。
井上天極堂さんの徹底している衛生管理や大切にしている事、お客様を考えての行動などたくさんのことを学ぶことができました。
 5日間の研修で共通して感じたことは、手作業が多いということです。近年様々な事が機械化されているため、研修前は、橿原工場ではほとんどの作業を機械で行っていると思っていました。しかし、実際に研修を行ってみると、本社工場だけでなく、カップ製品等を製造している橿原工場でも箱詰め作業、商品の食品ラベル貼りなど手作業の工程が多くありました。機械ではなく、人の手で行うことでより繊細な作業を行うことができ、上質な製品を製造するための理由の1つなのではないかと考えました。
 お客様からは見えない一人一人の丁寧な作業が、奈良の100年以上続く伝統的な葛を守り続けることに繋がっていると感じました。