こんにちは。井上天極堂の木村です。

本日は若草山で毎年行われている山焼きをご紹介したいと思います。

 

若草山は奈良県奈良市の奈良公園東端にある、山全体が芝生に覆われたなだらかな山です。円い丘が3つ重なっていることから別名を三笠山とも言います。傾斜がなだらかなので小さい子どもでも登ることができ、奈良の定番ハイキングコースになっています。またドライブウェイもあり、歩いて山に登らなくても気軽に山頂の景色を楽しむことができます。春には桜、秋には紅葉を楽しむことができます。また新日本三大夜景の1つにも選ばれており、夜に展望台から観るライトアップされた奈良の景色は格別です。

山焼きの起源

そんな若草山は毎年1月の第4土曜日に山焼き行事を行なっています。

山焼きの起源は三重目山頂の鶯塚古墳に眠っている霊魂を鎮めるための供養だったと言われています。春日日記によれば明治11年(1878年)2月に行われており、明治33年(1900年)から奈良の伝統行事として現在に続いています。春日大社・興福寺・東大寺の神仏が習合し、先人の鎮魂と慰霊、そして奈良全体の防火と世界の人々の平和を祈っています。

行事の流れ

春日の大とんどから御神火をいただき聖火行列で運ぶところから始まります。水谷橋付近で御神火を松明にいただいて野上神社まで運びます。野上神社は春日大社の境外末社で草木の女神様を祀っている神社です。こちらで祭典が行われ、山麓中央に大かがり火がたかれます。その後15分ほど花火が打ち上がり、山に一斉点火されます。火の燃えさかる様子は比較的離れた場所からでも見ることができますが、臨場感を感じるならやはり若草山麓がおすすめのようです。

私も実際に出向いて写真と一緒に若草山焼き行事をご紹介できればよかったのですが、今年はコロナウイルス感染症拡大防止の観点から聖火行列や山麓イベントは中止となりました。点火範囲は一重目のみでサプライズで1分間のみ花火も打ち上げられましたが、例年と比べると規模は縮小されていたようです。その代わりにライブ配信が行われ、調べてみるとYouTubeにもその動画が上がっており、詳しい様子を映像で見ることができます。ご興味のある方はぜひご覧ください。

来年以降にまた例年通りの開催ができることを祈りたいと思います。