弥山・八経ヶ岳に登ろう
2024年11月13日に弥山・八経ヶ岳に登りました
日本百名山で紹介されている大峯山は、山上ヶ岳から南の弥山(みせん)(1895m)・八経ヶ岳(はっきょうがたけ)(1915m)を含む山全体をのことを言います。
天河大辨財天社の奥宮が祭祀されている弥山は、命の源である水の神として古くから神聖な場所とされています。弥山とは仏教の世界観を表した須弥山から名付けられ、大峯の中心的山岳です。今回は芸能のお仕事に携わっている方がまだ弥山に登拝したことがないということで、登拝経験者を含む仲間で行くことになりました。
もう一つの目的地は八経ヶ岳(別名仏教ヶ岳、八剣山)で、ここが近畿最高峰で、良く晴れた日には富士山を見ることもできるそうです。
*修験道の山であるため、登山道が整備されているわけではありません。迷ったのか事故なのか、毎年数名が亡くなったり行方不明になる厳しい山です。また標高が高く、距離も長いため、余裕を持った登山計画を立て、きっちりとした山の装備を整えて登拝しましょう。
朝6時。集合場所は行者還トンネルの駐車場。
例年よりもかなり温かい秋となっていますが、天川村の標高が高いことと早朝でもあるので、防寒対策をしてのスタートです。
*トイレはこの駐車場と、山頂にある弥山小屋だけです。必ずトイレを済ませてから出発しましょう。
どちらも有料(現金のみ・おつりなし)です。100円玉を忘れずに多めに持ってきてください。
*この時点でスマホの電波は入りません。
迷って集合場所につけなかったり、遅れるなどの連絡がしたくても連絡を取る手段はありませんので、事前に決めごとをしておいてください。
*遭難した時はスマホが大切になります。登山中は機内モードで電池の減りを防ぎましょう。
*何かトラブルがあれば下山が遅れることがあります。かならずライトを持ちましょう。スマホのライトはスマホの電池が減るので必ず別にライトを用意しましょう。
なだらかな川沿いの散策道を進みます。
この日はちょうど紅葉がきれいでしたが、7月初旬にはオオヤマレンゲ(国指定天然記念物)が咲きみだれ、大峯山系の自然美を満喫することが出来、夏にはトウヒやシラベ(シラビソ)の原生林が緑に輝きます。
少し進むと小さな木の橋があり、ここから険しい山道が続きます。
*弥山・八経ヶ岳は修験道の山であるため、登山道が整備されているわけではありません。
木々にピンクのリボンやテープで登山道である印がつけられています。
そのピンク色を頼りに上へ上へと登っていきます。
時々後ろを振り返り、帰り道も確認しながら登りましょう。
急峻な登りが終わると尾根に出ます。
この日の朝は風が強く、防寒対策に手袋をしてちょうど良いくらい。
ピンク色を目印に登り下りを繰り返しながら進みます。
出発から2時間の朝8時、弁天の森で少し休憩。
弁天の森から少し登ると、聖宝ノ宿跡。
聖宝理源大師は、役行者が開いた修験道が一度閉じてしまったところを、もう一度再興した方です。法螺貝を吹いて大蛇を退治して、修行の拠点としました。
醍醐寺のHPでは聖宝理源大師について、「大峯山を「一乗菩提正当の山」とし、修行を通して自らの心と体で学んだことを「実修」という2文字であらわし、また学んだで得たことを人々のために活かして行くことを「実証」とし、この二つの修行、即ち“入りて学び、出でて行う”ことを「実修実証」として説かれ、醍醐のみ教えの中心としました。」とあります。
私は学ぶことは好きですが、学んだことを実践できているかというと全部がそうではありません。森信三さんも実践を重んじていたなと思い、反省しつつ、歩きます。
しばらく歩くと正面に弥山が見えてきます。赤い屋根の山小屋(弥山小屋)が目印です。その左側が八経ヶ岳。
尾根道が終わると最後に再び急峻な登りが続きます。階段も多く太ももが痛くなりますが、眺めは最高です。
急に苔だらけの日本庭園のような場所に出たら、もうすぐそこが山頂。弥山小屋があります。
小屋の奥、弥山と書かれた看板の奥に鳥居があり、小道を登っていくと大峯本宮天河大辨財天社があります。
大峯本宮天河大辨財天社は日本の三大霊場である高野、吉野、熊野を結んだ三角形の中心に位置していて、日本で初めて「弁財天(弥山大神)」を祀った聖域です。
記念写真を撮って小休憩をしたら、八経ヶ岳に出発です。
八経ヶ岳は弥山からよく見えているので、下って登るのだなというのは想像しやすいです。
ただ、想像通り、急な下り、急な登りがあり、それが行きも帰りもあるので、自分の体力と相談して本当に八経ヶ岳まで行くのかどうかを決めてください。
八経ヶ岳は紀伊山地の一角として奈良県吉野郡天川村と上北山村の境に位置する山で、標高は1,915 mで。近畿最高峰です。
八剣山とも呼ばれるほか、役行者が法華経八巻を埋納したと伝わることから仏経ヶ岳とも呼ばれます。
あいにく私の目に富士山は見えませんでしたが、すっきりとした秋晴れの中、眼下には修験の山々を眺めることができました。
さて、登山というのは、登った分だけ下らないとお家に帰れません。
食べたり飲んだりした分の荷物は少し軽くなっているものの、疲労はたまっており、登りよりも下りの事故がほとんどです。
山頂でゆっくり過ごしたい気持ちもわかりますが、トラブルに備えて、日の入りの時刻を考え、余裕をもって下山しましょう。
くれぐれも無理のないよう、事故のないよう、お願いします。
そして、奈良の山を満喫したら最後のお楽しみは温泉です。
天川村には「天の川温泉」「洞川温泉」がありますので、ゆっくりと山の疲れを落としてください。
また、遠方からお越しの方は洞川エリアにたくさんの宿泊施設があります。
山だけではなく天川村の名物を堪能してください。
天極堂おすすめの天川村の名所、お宿、お土産
山で飲んで欲しい天極堂の葛湯

「葛湯とこ若(和三盆)」
国産の葛澱粉と徳島県産の和三盆糖のみで仕上げた、最高級本葛湯です。
修験道の開祖といわれる役行者が吉野本葛を全国に広めたとも言われているくらい修験道と葛には深い関りがあります。また、葛粉が滋養食として役立つほか、葛に含まれる成分が骨を強くするとも言われ、厳しい修行する時にはなくてはならないものでした。
この葛湯は吉野本葛100%の為、ポットのお湯を注ぐだけではとろみがつきません。登山用ガスバーナー持参になる為少し手間がかかりますが、小鍋に葛湯と分量の水を入れて良くかき混ぜながら加熱すれば、疲れがとれる癒しの葛湯が完成です。
山頂で葛湯を飲み、帰りのエネルギーと気力を補充してください。
1袋:357円