料理研究家の田中愛子先生の本で、フードアクティビストとして葛ソムリエをご紹介いただきました。

「What is Planetary Food」は田中愛子先生が「地球のための健やかで、エシカルな食べ方」を提案するもので、Planetary Food Educatorのテキストにもなっています。

 

 

「プラネタリーフード」

それは、地球のための健やかで、エシカルな食べ方。

「植える」「育てる」「収穫する」「料理する」「みんなで楽しくいただく」という5つのステップをハーブのあるライフスタイルから学び、命を守り、地球の未来を守る、『新しい食べ方』をみんなでシェアしていきましょう。

田中愛子先生はNHK今日の料理出演、文化事業講演など各メディアでご活躍されています。

 

 

先生が掲げるのが「食卓の上のフィロソフィー」です。

 

 

1,毎日心を込めてお料理しよう。

2,季節の恵み、土の恵み、海の恵みに感謝しよう。

3,人と語り合い、笑い合える食卓は、人生の宝物。もっと楽しみましょう。

4,食卓は身近な美術館。食卓にある器や道具の美しさを知ろう。

5,受け継がれてきた伝統のレシピ、今日生まれる新しいレシピは、知恵と愛情が詰まっています。

6,食卓に並ぶ食材は、世界の歴史と文化の展示場。

7,食卓できちんと美しく食べる習慣を大切にしよう。

8,今、世界で8億人の人々が上に苦しんでいます。その真実をもっと知ろう。

9,未来に紡ぐ「すこやかな食と暮らし」のために、毎日の「食卓」から改革を起こそう。

10,幼い頃から「すこやかな美味しい食卓」を体験することは、人格を育て、持続可能な未来を築く原動力です。

プラネタリーフードのこと、食卓の上のフィロソフィーについて、ハーブの育て方、ハーブを使ったレシピとともに、「各地で広がるPlanetary Food Educator」として、フードアクティビストとその活動が紹介されています。

 

 

その中で、天極堂の葛ソムリエ、川本もご紹介いただき「奈良の歴史~葛のおいしさを伝えたい~」として吉野本葛についての想いを伝えさせていただきました。

 

 

天極堂は、1807年の創業以来150年以上に渡って吉野本葛を作り続けています。寒さが厳しい冬に原料となる葛を掘り起し、その根を繊維状に粉砕して水と混ぜ、根に含まれるでんぷんをもみ出します。撹拌と沈殿、水の入れ替えを繰り返す「吉野晒」の製法で精製される吉野本葛は、1㎏の葛の根からわずか100gしか作ることができず、その貴重性から「白いダイヤモンド」とも呼ばれています。

 

 

吉野本葛の原料となる葛の根は、イソフラボンの一種「ダイゼイン・ダイズイン・プエラリン」などが微量成分として含まれています。また発汗・解熱・鎮痙作用があると言われ、漢方薬「葛根湯」の主原料としても珍重されています。葛の聖地である奈良では1300年以上前から行者の修行食として葛粉が食べられてきましたし、江戸時代にはしかが流行した際には葛粉を食べることが推奨されました。風邪の時に葛湯を飲むという習慣も、経験的にこのような効果がわかっていたのだと思われます。 葛もちや葛きり等の和菓子、体をあたためる葛湯、胡麻豆腐やあんかけなどの料理にと日本の食文化の歴史を支えてきた伝統的な食材である吉野本葛は古来より私たちの健康を育んできました。

 

 

しかし今、食の多様化によって吉野本葛は日常の食卓にあがる機会が減っています。そこで私たちは「葛ソムリエ」という資格制度を作り、「葛の出前授業」で学校を回る活動をしています。伝統を守るために吉野本葛の歴史や効能、魅力を伝え、これからも吉野本葛を食べ繋いでいきたいと思います。