日本のはじまりの地で 天極堂ファーム初めての収穫祭
日本のはじまりの地で 天極堂ファーム初めての収穫祭
~日本の食を豊かにするために私たちにできること~
1870年創業の葛の老舗、葛専門店の株式会社井上天極堂(奈良県御所市・代表取締役社長:井ノ上 昇吾)は、2024年に自社店舗付近(奈良県桜井市山田)等に農地を取得してアグリ事業を始め、8種の作物を育てています。そして稲刈りの季節となり、10月に天極堂ファームで初めての米の収穫祭(社内イベント)を行います。
天極堂ファーム設立までの想い
天極堂は創業以来155年に渡って吉野本葛の製造を続けてきましたが、それは掘子と言って山に入って葛の根を掘ってくださる農家の方がいてこそできるものです。そんな中で自然と山のネットワークができ、葛の根だけでなく、木の葉っぱ・つる・木の皮など山の恵みと、米や山芋や大豆や野菜などの農業のネットワークも広がりました。柿の葉寿司に使われる柿の葉、柏餅に使われる柏の葉、工芸品に利用される桜の皮など普段意識されることは少ないですが、そういう原料は生産者様がいてくださるからこそ供給できています。
しかし、山仕事の従事者や農家の高齢化が進む中、継続を悩む方が増えてきました。そこで天極堂では数年前から、生産者様の負担が少しでも軽くなるように収穫の手伝いなどに取り組んできました。
それでも収穫時期以外の管理も難しいと言われることがあり、それならば地元に産地を作ってみようということで、自社の敷地内に2010年に葛、2015年に柏、2019年によもぎ、2023年に山椒を植え、試験栽培を始めています。徐々に農家さんにもご協力いただいて圃場を増やすなどしてきました。
そして2024年10月に天極堂が39期を迎える際に、これからは天極堂でも一次産業にもっと関わっていこうということで、天極堂のアグリ事業を開始することになり、『天極堂ファーム』を設立しました。この時、農業専用の人材・部署を作るのではなく、天極堂の全社員が8品目いずれかのチームに入ることとし、全社で取り組んでいくことが決まりました。その中には「日本の食を豊かに、そして健康な身体と社会に貢献する良い会社を作る」というスローガンと、「みんなで農業を楽しむ!農業はおもしろいんだ!」ということを発信したいという想いがこもっています。
農業については初心者ではあるものの、スタッフには兼業農家もおり、「まずはみんなでやってみる。失敗してもいいんだ。」ということであえて収穫量などの目標を掲げず、約2町の農地を取得し、取り組んできました。よもぎ圃場についてはすでに製品原料として使用しており、年間約1トンを収穫しています。桜とブドウと山椒については仮植えのものもあり、収穫までにはあと数年かかる予定です。
米については籾をまいて苗を作るところから始めましたが、休耕地であったため、水をためて見たら水漏れが起こって畔を作り直すなど困難なこともありましたが、なんとか現段階では稲は順調に育ち、10月の第2週目に刈り取りが出来る状態にまで成長しました。
そこで、同社は社内イベントとして、10月16日(木))に同社初となる「お米の“収穫祭”」を実施する事にいたしました。社員とその家族、一部の関係者を招待し、総勢150名ほどでお米の収穫をお祝いする予定です。
天極堂ファーム秋祭り実施概要
◆日時:10月16日(木)10:00~16:00頃まで
◆参加者:株式会社井上天極堂もしくはグループ会社のスタッフとその家族、取引先・仕入れ先など一部関係会社(約150名)
◆内容:◇稲刈り体験 ◇餅つき ◇トラクター体験 ◇ラジコン草刈り機体験 ◇運搬機乗車体験 ◇とろろすり体験 ◇アグリ事業8部門の活動報告 ◇みんなでバーベキュー(新米おにぎり、豚汁、柿の葉寿司、山椒アイスなど)
・刈り取りするお米は奈良県のブランド米「ヒノヒカリ」。11:00からのバーベキュー時に召し上がっていただく「おにぎり」は事前に刈り取って精米しておいた天極堂ファームの新米です。
・11:00からのバーベキューと並行して農機具などを使った様々な体験ができるようにします。天極堂ファームは全スタッフが8品目に分かれて活動しているため、馴染みのない器具もあるため、この機会にみんなで体験を共有したいのと、こういうところからも農業のおもしろさを共感できればと考えています。また、グループごとのパネル展示による成果発表も行います。
・13:30からは田んぼに入って刈り取り体験を予定。またグループ会社である柳屋の寿司職人の親方が行う柿の葉寿司体験もあります。
・15:00から行う餅つきについては、もち米は作っていないため天極堂ファーム産ではありませんが、天極堂ファーム産のよもぎを使用した草餅をみんなで一緒に作ります。
天極堂ファームの今後について
「日本はじまりの地」とされる飛鳥・藤原は、世界遺産「飛鳥・藤原の宮都」として、現在世界遺産登録を目指していますが、そんな日本のはじまりの地で農事業の一歩を踏み出せることは大変有り難いことであり、何か意味があるとも感じております。
2025年10月から天極堂は40期がはじまりました。「山と食のネットワークと農業で、持続的成長と革新を続け、日本の食を豊かに、そして健康な身体と社会に貢献する良い会社を作る」というスローガンのもと、天極堂スタッフが一丸となって農業に楽しみながら取り組み、日本の伝統食材である吉野本葛を作り続けると共に、日本の食を豊かにするために私たちができることを一つ一つ取り組んでいきたいと思っています。
