葛の製造過程について
『白いダイヤモンド』と呼ばれることもある葛粉は、まず葛の根を掘り起こし、それをもみだし・粉砕し、そして葛澱粉を抽出するというように、大きく分けて3つの製造過程を経て作られています。
葛は夏の間に光合成をし、地上部が枯れ落ちる秋から冬にかけて養分をでんぷんとして根に蓄えます。葛の根は季節問わず土の中にありますが、葛粉を作るためにはでんぷんが蓄えられる冬に掘りに行かなければなりません。掘り出された葛の根は粉砕機で砕かれます。
粉砕された葛の根は繊維状にほぐれます。その繊維の中に白い粒となってからんでいるのがでんぷんです。
粉砕した葛の根を布袋に入れ、水中で何度ももみ出して、丁寧にでんぷんを取り出します。袋を絞り、繊維とでんぷん乳に分けます。
そうした工程を経て取り出されたものは「粗葛」と呼ばれており、固形の状態になっています。
次に、粗葛を吉野本葛に精製していきます。粗葛にはまだたくさんのあくが残っているため、「吉野晒」という製法を用いてあくを取り除いていきます。

工場内にある攪拌槽を使って、攪拌と沈殿、水の入れ替えを10日から2週間かけて行います。始めの内は茶色で、泡状のあくもたくさん浮いてくるので、網であくを掬い取る作業を丁寧に繰り返します。
一晩置きでんぷんを沈殿させ、上水をパイプで排水したら、再びきれいな水を入れてかき混ぜ、あくを取ります。

この撹拌・沈殿・水の入れ替えを繰り返すことで粗葛を洗っていくのですが、沈殿に1日かかるため、1日1回しか洗えません。

最後に、あく取りが完了したものを「舟」と呼ばれる細長い水槽に流します。
この状態ではまだ水分が多いので、その上に布を敷き、澱粉を置いて余分な水分を吸水させていきます。
吸水が終わったらブロック状に切り出します。
さらに、石鹸くらいの大きさに切り出します。
その後、乾燥をさせてようやく吉野本葛が出来上がるのです。

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